David Hazeltine/デビッド・ヘイゼルタイン The Inspiration Suite

他レーベルのリーダー作やマリーナ・ショウの伴奏、「One For All」などでおなじみシャープナインの看板ピアニスト、ヘイゼルタインの新作は、大きな影響を受けたバディ・モンゴメリーとシダー・ウォルトンに捧げた組曲(4部構成)を含む文字通りの意欲作です。「組曲」といっても、難解さやとっつきにくさは皆無。あくまでもハード・バップとモードをベースにしたメインストリーム・ジャズにしているのはヘイゼルタインらしいところです。曲によってマッコイ・タイナー、チック・コリア、ハービー・ハンコックの手法も取り入れ、全体としてポップでスマートな演奏が展開されています。最初と最後にはスタンダードや師匠たちのオリジナルを並べ、1枚の作品として変化に富んだ構成で、いい感じの仕上がり。テナーやバイブ、パーカッションを含む楽器編成で、バンドの彩りを豊かなものに。日ごろ聴き慣れたピアノ・トリオとはひと味もふた味も違う新生ヘイゼルタインの魅力が満載した、ハイクオリティな逸品です。 ジャズ輸入盤CD