Lluis Vidal Trio/ルイス・ビダル・トリオ Milikituli

テテ・モントリュー亡き後、スペイン最高峰のジャズ・ピアニスト、作曲家と目されているルイス・ビダルが1994年に残したトリオ作品です。(3)(7)は彼の地元であるカタルーニャ地方のフォーク・ソングを独自にアレンジしたもの、他の6曲も、一度聴いたら忘れられなくなるような、哀感のこもったメロディを持っています。テテのアルバムでいえば、名盤「Tete A Tete」の「カタラン組曲」に通じる味わいといえましょうか。アメリカはもちろん、他のヨーロッパのジャズ・ピアニストにも真似できないであろう情感とペーソスがあります。'自分の個人的な経験を音楽に導入したかった。1枚のアルバムでストーリーを描きたかった'というビダルの思いが結実した、90年代ピアノ・トリオの傑作といえましょう。 ジャズ輸入盤CD