Hod O'Brien/ホッド・オブライエン So That'S How It Is

「音楽に古い、新しいの区別はない。あるのは、良い、悪いのどちらかだ」というのはデューク・エリントンの言葉。エリントンの流儀に倣えば、50年代的だから古いという考えは間違っている。このホッド・オブライエンという人は、良いジャズの代名詞のような人だ。では、その魅力、その秘密はどこにあるのだろうか。思うに一時的な流行や、時代の変化に左右されず、自分の信じるスタイルで、自分の真実演奏を続けて生きたのではないか。RESERVOIRには優れたピアノ・トリオの秀作が数多くあるが、前作と同じリズム・セクションを迎えて、緻密で端々しい、奥深い構成に満ちた演奏を聴かせている。ボサノバの(4)、ビクター・フェルドマンの(1)、クインシー・ジョーンズの(2)、モンクの(9)、デューク・ジョーダンの(10)と選曲も渋い。トミー・フラナガンにも通じる「控え目な主張」がじわじわと効いてくる好内容だ。 ジャズ輸入盤CD