Eddie Thompson Trio/エディ・トンプソン・トリオ Ain'T She Sweet

80年代から90年代にかけてのピアノ・トリオ・ブームで人気を集めたピアニストには、スタンダードをスタンダードらしく演奏し、それぞれのタッチと歌心をもつ名手が多かった。ミシェル・サルダビー、ジョルジュ・アルヴァニタ、フレディ・レッド、ピム・ヤコブスなど。そして本作の主人公、エディ・トンプソンも、80年代後半になって日本で人気に火がついた英国出身のピアニストだ。重度の愛煙家だったため、肺気腫を患い、1986年11月6日、61歳の若さで死去している。このCD版「エイント・シー・スウィート」は、2つのセッションで構成されている。最初の8曲が、オリジナルLP(HEP E2002)に収録されていた楽曲で1978年9月23日の録音。メンバーはレン・スキート(b)、マーティン・ドリュー(ds)。追加の5曲はその2年前、1976年2月3日の録音で、ドラマーは同じだが、ベースがピート・モーガン(b)に変わっている。追加曲で注目したいのは、トンプソンが生ピアノだけでなく、電気ピアノ(フェンダー・ローズ)を使っている点だ。このCDに聴くトンプソンの演奏は、どれも自由で奔放だ。解説：後藤 誠 国内盤CD