Grant Stewart Quartet/グラント・スチュワート・カルテット Buen Rollo

本シリーズを十把一絡で｢アマチュアに毛の生えた程度の・・・｣とコキ下す人もいらっしゃるようだが、本作の主人公グラント・スチュワートはすでに名門Criss Crossから、リーダー作を発表しているカナダ出身、ソニー・ロリンズ直系のテナー奏者だ。この作品はカナダ(テナー)=バルセロナ(ピアノ&ドラムス)=アメリカ(ベース)の3国合体ワン・ホーン・カルテット。だが、いきなり初対面で録音したわけではない。カナダ時代からの知り合いであるピアニストとは過去4年にわたるスペイン・ツアーで共演。ドラマーとは1990年以降、NYに進出してからの知り合い。ベーシストのみアメリカから調達した、という次第。肝心の内容だが、初期のロリンズを彷彿とさせる音色とフレージング、ハード・バップ・スピリッツ溢れる快演がズラリ。ロリンズの名盤｢ワークタイム｣でも筆頭を飾った(1)、フレディ・レッドの｢ザ・コネクション｣からの(5)、モンクの(6)、ストレイホーンの(8)、ロジャース=ハートの(4)、ミンガスの(3)と、いやはや選曲も素晴らしい。 ジャズ輸入盤CD