作編曲者としてもトロンボーン奏者としても一流、スライド・ハンプトン
スライド・ハンプトン(Slide Hampton、1932年4月21日 – 2021年11月18日)
彼がトロンボーンを始めたきっかけは、当時家族バンドが多くいたインディアナポリスで、もちろん彼の一家も家族バンドを組んでいましたが、その際父親からトロンボーンを手渡されたことによりトロンボーン奏者となりました。
彼の特徴に左利き用のトロンボーンが挙げられますが、彼自身は右利きで、父親に手渡されたトロンボーンがなぜか左利き用だったのです。本格的にトロンボーンの指導を受ける際、誰からもそのことを指摘されませんでした。
そんな中演奏し続けた彼は、20歳でライオネル・ハンプトン・バンドと共にカーネギー・ホールで演奏するなど若い時から活躍をしていました。
その後バディ・ジョンソンのR&Bバンドで演奏し、メルバ・リストンのクラシック・リリース『Melba Liston and Her ‘Bones』でトロンボーン・マスターとレコーディングを行うなど幅広いジャンルで貢献しました。メイナード・ファーガソンのバンド のメンバーとなった際には、そこで演奏と編曲を行い、「The Fugue」「Three Little Foxes」「Slides Derangement」などの人気曲を生み出しました。
自身がリーダーのバンドを率い、なおかつライター、プレイヤーとしてフリーランスで活動するようになった期間では、10年ほどヨーロッパで定住し、その後ハーバード大などで教鞭を執るなど幅広く活躍しました。
ディー・ディー・ブリッジウォーターが演奏した「コットン・テール」の編曲でグラミー賞を獲得するなど、作編曲者としても、名の通りスライド・トロンボーン奏者としても一流だった彼の作品をご紹介します。
70年代ヨーロッパ・ジャズの魅力を凝縮した真の名盤・待望のCD化
70年代ヨーロッパ・ジャズの魅力を凝縮した真の名盤・待望のCD化
Life Music
スライド・ハンプトンの代表作といえば、1969年1月にパリで録音された「The Fabulous Slide Hampton」(Pathe-Marconi)があまりにも有名だが、ちょうどその3年後、イタリアの名門レーベル、カルセロ(Carosello)に残した同じくワン・ホーン・カルテットの編成による”もう一枚の傑作”がこのアルバムだ。名手ギド・マヌサルディが参加していることもあって、当時国内の廃盤市場においては、本作の人気と評価は飛躍的に向上、内容のよさと作品の希少性もあって、取引価格が急速に高騰していったと伝えられる。1997年下半期のジャズ復刻における最重要アイテムのひとつといえよう。
吉田次郎を前面プロデュースに迎え、豪華メンバーによるアット・ホームな傑作
吉田次郎を前面プロデュースに迎え、豪華メンバーによるアット・ホームな傑作
Inclusion
スライド・ハンプトンの隠れた名作が登場。今回国内初CD化となる今作は、プロデューサーにギタリストの吉田次郎とレイモンド・ハンプトンを迎え、知的美人ピアニストのリニー・ロスネスにビリー・ドラモンド、ジャズベース界の重鎮レイ・ドラモンド、アンドリュー・ウィリアムスら豪華絢爛な名を連ねます。トラック(3)「ジ・アイランド」では、ゲスト・ヴォーカリストとしてケイコ・リーが参加し、スウィート・ハスキーな歌声で魅了してくれます。終始アット・ホームな雰囲気を醸し出している、心温まる一枚です。
スライド・ハンプトンの真価を、好キャストで
スライド・ハンプトンの真価を、好キャストで
Two Sides Of Slide
作編曲者としてもトロンボーン奏者としても一流だったスライド・ハンプトンの真価を、好キャストで満喫出来る盛り沢山の1枚。ハードバップ爛熟期のラージ・コンボによる2つの企画が収録されています。中程にずらりと並ぶのはガーシュインの「ポーギ―とベス」の名曲群。前半の「枯葉」「時には母のない子のように」のアンニュイなモダン感覚のハードバップ調にはグッとくるはず。最もアピールしたかった自作曲も聴き物。とりわけ(3)と(4)はハンプトンの代表曲に数えるべき好メロディーの佳曲です。コンパクトなソロも粒ぞろいです。サウンドヒルズからのリリース「インクルージョン」(SSCD-8107)も好評。
トロンボーン、アレンジの両面で才能を発揮する彼の貴重な演奏集
トロンボーン、アレンジの両面で才能を発揮する彼の貴重な演奏集
Sister Salvation + Somethin’ Sanctifield + Live At Birdland
トロンボーン奏者、作編曲家として息の長い活動を続けるスライド・ハンプトン。彼がキャリアの初期に率いた伝説のバンド、スライド・ハンプトン・オクテットによる熱演がCD2枚に収められました。ディスク1はアルバム「Sister Salvation」と「Somethin’ Sanctified」のカップリング。フレディ・ハバード、ピート・ラロカ、ジョージ・コールマンといったキラ星の如きメンバーを使いながら、ハード・バップの真髄を聴かせてくれます。ディスク2はニューヨークの名門ジャズ・クラブ「バードランド」における実況録音で、この音源がまとめられたのは今回が初めて。2トランペット、2トロンボーン編成で、スタジオ録音以上にワイルドなプレイで楽しませてくれます。