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コラム

一級品のピアニスト、マルコ・デット

マルコ・デット

(Marco Detto、1962年3月22日 – )

 

クラシックのチェロ奏者からピアノ奏者に転向、80年代以降はジャズ-フュージョン界を拠点に活動を続けています。
叙情的な美しさは、一級品のピアニストである彼の作品をご紹介します。

目次

What A Wonderful World


What A Wonderful World

マルコ・デットはお聴きの通り大きな特徴のあるピアニストではない。どうも珍しいピアニストに出会うと私など習性が働いてその出自がどこだろうなど、特徴の発見に努めてしまうから我ながら嫌になってしまう。パウエル派だのエバンス派だのと。文章によるジャズ批評界が昔からジャズ・ファンをそのように学習させてきた結果、残念ながらそうなってしまったのである。まことに悲しい話だ。もうそんな時代ではない。皆さんはマルコ・デットが誰の流派をくむピアニストであるかなどと考えないで頂きたい。考えるのではなくひたすら楽しむ。これである。 寺島靖国

Django


 

Django

「What A Wonderful World」(Sound Hills SSCD3005)と「Falling In Jazz With Love」(Sound Hills SSCD3007)の大ヒットで一躍日本でも認知度がアップしてきつつある、天才ピアニストのマルコ・デット。何度も共演しているマルコ・リッチをベースに迎えたトリオで、有名スタンダードばかりのアルバムをリリース。微妙にずらしたタイミグで入るタッチと、独特のリズム感、無駄な音が1音たりともないと思われる綿密に計算されたフレージングなどセンスあふれる演奏に変わりはありません。特に表題曲の(1)、至極のバラード(10)などがおすすめ。

The Stories Of The Soul


 

The Stories Of The Soul

叙情的な美しさは、一級品のイタリア人ピアニストのマルコ・デット。ピアノトリオ編成で優れたアルバムを次々発表しているデットの、ピアノの魅力を余すことなくじっくり堪能できるピアノソロアルバムです。デットーお気に入りのナンバー(2)を始め、(3)(6)(10)(12)(14)(16)などスタンダード中心の選曲なので、メロディも耳に懐かしいものが多く心和む内容です。個人リサイタルをイメージしているようで、デットのサウンドカラーを澄んだブルーで表現しているジャケットも絵画的雰囲気で良し。

Blue Stones


 

Blue Stones

以前エディ・ゴメスとレニー・ホワイトと組んだ「What A Wonderful World」(SSCD3005)や、「Falling In Love With Jazz」(SSCD3007)をいずれも大ヒットさせた人気ピアニスト、マルコ・デット。今作ではトランペットやクラリネット、サックスなどの管楽器を、曲ごとにフィーチャー。選曲もすべて自作で構成されており、非常に聴き応えがあります。メロディメイカーとしてのセンスも抜群、ピアノ・トリオとはひと味もふた味も違った、キース・ジャレットにも通じるロマン溢れる世界が展開されています。ジャケット同様、地中海の青さを想像させる、スケールの大きい演奏が秀逸です。

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